レポート内の特定のレコードの表示をカスタマイズするにはどうすればよいですか。
環境:
アナリティクス,データ例外
解決策:
データ例外は、レポート全体の内部において特定の基準を満たすデータを強調表示するために使用されます。これにより、レポート内で特定のレコードを表示する方法をカスタマイズでき、一部のレコードが別の色またはフォント・サイズで表示されます。
注意: データ例外は、指定する特定の基準に基づいてレポートに含まれるデータを制限するためには使用されません。つまり、レポートに含まれるデータを決定するにはランタイムおよび固定のフィルタが使用されます。例外はレポート内の特定のデータの表示に影響を及ぼすために使用されます。
レポート内でデータがデータ例外に一致すると、アスタリスクまたは異なる色あるいはフォントなどのなんらかの方法でデータにフラグが立てられます。たとえば、あるグループに割り当てられた未解決のすべてのインシデントがレポートに含まれている場合、データ例外を使用して、特定のスタッフに割り当てられるすべてのインシデントを太字または斜体などの別のフォントで表示することができます。
単一のレポート内で複数のデータ例外を定義できます。これによりオーディエンスのために複数の種類のレコードを強調表示することができます。
カスタム・レポートの作成および編集の詳細は、アンサーID7350: 基本的なカスタム・レポートの作成を参照してください。
条件付き書式: レポート内の特定の列にあるセル値の表示をカスタマイズするために、条件付き書式を使用することもできます。条件付き書式の詳細は、Answer ID 2532: Conditional Formatting of a Column in a Reportを参照してください。
レポートへのデータ例外の追加
各データ例外は、式、演算子および値で構成されます。これらは一致するレコードの条件を定義します。レコードが条件に一致する場合、そのレコードは、表形式表示およびグラフィック表示の設定方法に基づいて表示されます(色およびフォントを含む)。表形式スタイルは、リストで出力されるレコードに適用されます。グラフィック・スタイルは、チャートまたはグラフ内のデータ・ポイントに適用されます。
異なる色またはスタイルごとに別々のデータ例外を作成する必要があります。たとえば、一部のレコードを赤色、一部のレコードを青色、一部のレコードを緑色で表示する場合、それぞれの色および条件について1つずつの3つのデータ例外を作成する必要があります。
レポート内でデータ例外を定義するには、次の手順を使用します。
- 編集するレポートを開きます。
- 「表示」タブをクリックし、「例外」チェック・ボックスを有効にします。リボンの「挿入」タブをクリックし、「例外」ボタンをクリックして例外を追加します。
注意: すでに存在する例外を編集するには、リストされている例外を右クリックして「例外の編集」を選択します。
- ポップアップ・ウィンドウで、例外の名前を追加し、表示参照をレコードの特定の出力フィールドまたは行全体に設定します。
- 「定義」タブで、例外に使用される条件を指定します。たとえば、未解決のステータスを持つインシデントを赤色に設定するには、「定義」タブの内容を次のように設定します。
式: incidents.status_type
演算子: リスト内
値:未解決 (チェック・ボックスを選択する)
- 「表形式表示」タブ内で、表にリストする場合にレコードを表示するために使用される書式および色を指定します。デフォルトの表示オプションを使用するか、カスタムの表示オプションを定義することができます。「定義」タブの条件に一致するレコードを表示するために使用される、色、データ記号およびフォント・スタイルを変更することができます。
- レポートがグラフを含む場合、「グラフィックでの表示」タブで、例外に関連付けられた色を指定します。
- 「OK」をクリックして例外ウィンドウを閉じます。
- 必要に応じて他の例外を追加または編集します。
- 終了したら、レポートを保存します。
レポートを実行し、例外に合致するレコードが意図したとおりに表示されていることを確認します。
データ例外の例
基本的なデータ例外:最も基本的なデータ例外は、定義に単一のフィールドを含みます。これにより、そのフィールドに直接関係する、演算子および値を使用した条件を定義できます。
たとえば、更新済のすべてのインシデントを青色で表示するデータ例外を定義する場合、次のような条件を設定できます。
式: incidents.status_id
演算子: リスト内
値:更新済
次に、セルの色またはフォントの色に青色を使用するよう表形式表示を定義します。
複数の条件に基づく例外: 複数のフィールドの値に基づくデータ例外を作成したい場合もあります。これを行うために、例外の式でIF文を使用することができます。そして、次のようなデータ例外を設定します。
式: if(条件1 & 条件2 & 条件3,1,0)
演算子: 次の値に等しい
値:1
これは、条件1、2および3をすべて満たす場合、式は値1を使用し、それ以外の場合は0を使用することを意味します。次に、式の値(1または0)を1と比較します。式が1の場合、データ例外が満たされます。
注意: IF文の最初の部分で複数の条件を結合する場合、ANDについてはアンパサンド(&)を使用し、ORについてはパイプ( | )を使用します。
たとえば、更新済のステータスを持ち更新後1時間を超えたインシデントについてデータ例外を作成する場合、データ例外は次のようになります。
式: if(incidents.status_id=8 & date_diff(sysdate(),incidents.updated)>3600,1,0)
演算子: 次の値に等しい
値:1
この場合、次の2つの条件があります。
- 条件1: incidents.status_id=8
ここで、8は更新済ステータスを表する数値的なデータベース値に対応します。インシデントのステータス・テーブルに移動し(サービス管理項目>「カスタマイズ項目」)、「更新済ステータスの上にマウスを合わせることによってIDを確認できます。 - 条件2: date_diff(sysdate(),incidents.updated)>3600
この条件で、3600は対象期間の秒数に対応します (1時間= 3600秒)。
この値は、システムの日付/時刻とincidents.updatedフィールドの値の日付の差を使用して決定されます。システム日付と更新済値の間の差が3600秒を超える場合、条件が満たされます。
最後に、両方の条件が満たされた場合、IF条件に基づき式全体の値は1になります。それ以外の場合、式の値は0になります。両方の条件を満たすレコードのみがデータ例外に一致します。